三共のカム技術/加速度制御技術
1)カム曲線とは
カム曲線とはカム装置の出力動作を示す情報であり、動作だけではなく装置出力の速度特性、加速度特性、入力トルク特性も示します。
カム曲線へ要求されることは、移動中の振動や残留振動が無く、高速で少ないエネルギーで位置決めできることですが、他に外部で動作する機器に同期して動作する、希望する位置を通過するなど使用される条件により異なります。
カム曲線の基本は、主に時間軸が横軸で変位が縦軸で表される2次元のデータであり、変位から1回微分したものが速度、2回微分したものが加速度となります。通常、カム曲線は時間、変位、速度、加速度を一定の時間間隔のマトリックスで表されます。速度、加速度などは、図1の関係になっています。
2)無次元化
時間軸が0から1の範囲で、また変位も同様に0から1の範囲で表すことを、無次元化と呼びます。無次元化の利点として①カム曲線の特性比較が容易、②実次元への単位の変換が容易などが上げられます。通常、動作は直線(mm、mなど)と回転(deg、radなど)の2つに大別されますが、このような動作種類の違いにも無次元化により扱いが容易となります。各記号は表1に示す意味を有しています。
カム曲線 記号 影響する特性
変位 S カム形状  
速度 V 圧力角度 CF作用力、装置強度、寿命
加速度 A 曲率 慣性力、従節との接触面圧
速度×加速度 (A・V) カム軸トルク 駆動方式
3)カム曲線の特性と加速度制御
一般的にカム曲線が成立するのに必要な条件は、変位、速度の連続性があることです。更に特性の良いカム曲線にするためには、加速度の連続性、低い速度、低い加速度、低い(速度×加速度)などが必要な条件となります。
カム曲線の速度は、等速区間を長く設けることで、最大速度値が低いカム曲線の作成ができます。ただし、図2に示すように、速度のピークを低く変更すると加速、減速時の速度が上昇し、速度の傾きも大きくなり、加速度値が上昇することになります。このように無次元化されたカム曲線では、無次元速度、無次元加速度のいずれかの値が悪く(絶対値が大きく)なり、絶対的に良いカム曲線の条件は無く、使用する条件ごとでベストなカムの特性値となるカム曲線の選定、作成が重要になります。
以上に示すように加速度を制御することで、最適な加速度特性・速度特性などを持つカム曲線の設計が可能となります。
三共製作所では更に必要に応じて加速度制御のみならず、躍動(加加速度)の連続性や数値の最小化の最適化、カム曲線の特性が生かせるようにカム軸トルクの変動を抑える技術(カムバランサ)も考案し、お客様の要求に沿うカム曲線技術の開発を行ってまいりました。また、当社にて開発されたSMS(三共変形正弦)曲線、SMT(三共変形台形)曲線、SMCV(三共変形等速度)曲線などのグローバル曲線を元としたカム曲線やSHP-5曲線、GMCV(General Modified Constant Velocity)曲線など60種類を超えるカム曲線から、加速度を制御した装置仕様に適したカム曲線を提供できる環境を整備しています。
このようなカム曲線技術は機械式カムだけでなく、近年ではサーボモータの指令データとして、モータ駆動時の最適な動作カム曲線として適用されています。

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